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VIETWATER

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VIETWATER

Exhibition outline

概要

水資源に関する大規模展示会がベトナムで開催
東南アジア一円の同種イベントと相乗効果狙う

 Vietwater 2025は、ベトナムの水環境に関して1年に1度開催されている国際的な展示会および会議だ。水資源管理、上下水道、廃水処理、関連技術に焦点を当てたイベントで、世界の専門家や企業が各地から集まって最新技術やソリューションを紹介している。同種内容の展示会は東南アジア一円でも開かれており、国境をまたいでの相乗効果も大きい。その25年ベトナム大会は、11月5日~7日の日程で南部ホーチミン市の大規模展示会場「サイゴン・エキシビション&コンベンション・センター(SECC)」を会場に予定される。廃棄物や環境技術に関するもう一つの大型展示会「WETV Expo 2025」も同じ日程で併催される。

VIETWATER

2025年11月5日~7日

ホーチミン、ベトナム

環境・エネルギー

Show Hilight

展示会のハイライト

■主催者と概略

 英国に本部を置く国際イベント企業「インフォーマ」のベトナム拠点が主催者。2009年に始まり、今回が16回目となる。Vietwaterの名が示す通り、水資源や浄水、給水、廃水処理といった「水」の管理に専門性を置いた展示会であるのに対し、同日開催の姉妹大会WETV Expoは固形廃棄物・廃ガス処理、空気浄化、環境モニタリングなど「廃棄物」全般を取り扱う。相互補完することで、トータルソリューションの提案や排エネルギーの利用といった副次的な効果も生み出している。

 Vietwaterで取り上げるテーマは大きく4つ。浄水・廃水処理プラント、膜技術、ポンプ・バルブ、水質モニタリング装置といった水処理技術。配管システム、スマート水道メーター、漏水防止技術などの水道インフラ。気候変動への適応策、節水技術、再生可能エネルギーを活用した水処理などの持続可能な水管理。そして、ベトナム政府(建設省や天然資源環境省)の政策や世界銀行など国際機関のプロジェクトの紹介だ。

 内外のメディアからの注目度も高い。24年大会では11月6日の開会にさきがけて9月に記者会見(オープニングセレモニー)を実施したところ、国内外から80社を超える媒体からの取材申し込みがあった。また、大会期間中には優れた革新的技術や新製品、来場者を惹きつける工夫や取り組みを行った出展者を表彰する「ベスト・ショー賞」を実施したところ、「モチベーションがアップした」などと好評を博した。注目する出展者を対象としたインタビューも行い、情報発信にも務めている。

 水資源をめぐる同種展示会は、WATER PHILIPPINES 2025(フィリピン、2025年3月19日~21日)、ASIAWATER(マレーシア、26年4月7日~9日)、THAIWATER(タイ、25年6月2日~4日)WATERINDONESIA(インドネシア、25年9月10日~13日)など東南アジア一円でも開催されており、各国の水事情にあったアプローチが行われている。いずれも主催はインフォーマ社の各国拠点。このうちベトナム大会が最古を誇る。規模もマレーシア大会に次ぐ内容だ。

Show Reports

2024年の実績

10,000

㎡の展示スペース

25

カ国からの出展

14,000

来場者

10

カ国・地域の国際パピリオン

450

以上の出展社

Exhibitor details

出展社の詳細

■出展社の評価

  • 出展動機は新規顧客開拓のため 81% 81%
  • 出展して大いに満足した 83% 83%
  • 他者にも出展を勧めたい 88% 88%
  • 次回大会にも出展したい 74% 74%

■ 来場者の業種

◇ポンプとバルブ
◇給水技術
◇グリーンテクノロジーと持続可能な水技術
◇汚泥処理技術
◇淡水化と脱水
◇水質検査と測定
◇膜・濾過
◇配管と給水設備
◇灌漑・下水道
◇廃水処理と管理

■ 来場者の属性

◇政府機関・業界団体・学術機関
◇水道事業公社・会社
◇代理店・販売代理店
◇メディア・出版社
◇卸売業者・小売業者
◇メーカー
◇OEM・下請け業者
◇輸入業者・輸出業者

出展者の主な声

「最高の革新技術と最高の製品を世界市場に届けたい。新規顧客獲得に向けた効果的なアプローチが可能」(ベトナム企業) 

ベトナム企業

出展者と来場者の双方に包括的な情報の提供が行われていた
マレイシア企業

顧客と市場を知ることのできる絶好の機会

イタリア企業

グローバルとローカルを結びつけるプラットフォームがとても有益

ベトナム企業

Visitor details

来場者の詳細

■来場者の属性

◇政府機関・業界団体・学術機関
◇水道事業公社・会社
◇代理店・販売代理店
◇メディア・出版社
◇卸売業者・小売業者
◇メーカー
◇OEM・下請け業者
◇輸入業者・輸出業者

■来場者の評価

  • 来場して大いに満足した 88% 88%
  • 次回大会でも来場したい 87% 87%
  • 他者にも来場を勧めたい 89% 89%
  • 製品やサービスに興味を持った 87% 87%

■来場者の主な声

毎年、出展者の数も質も向上しており、各ブースとも活気に包まれている

ベトナム企業

この展示会は、企業同士がつながる実用的でとても価値のある展示会だ

日系企業

■来場者の業種

◇出版・報道・メディア 
◇不動産開発業者 
◇病院・ホテル・クラブ 
◇パルプ・紙 
◇省庁・政府 
◇代理店・販売店 
◇エレクトロニクス・半導体 
◇製薬 
◇石油化学・化学・石油・ガス 
◇町議会・市議会 
◇建築家 
◇衣服・染色 
◇環境・土木コンサルタント 
◇工場 
◇水道会社・水道事業者 
◇下水道事業者 
◇農業 
◇自動車部品・自動車 
◇埋立地管理 
◇リサイクル 
◇建設請負業者 
◇鋼鉄 
◇食品・飲料・蒸留所・醸造所 
◇灌漑 
◇養殖業 
◇パーム油・砂糖精製 
◇財務およびコンサルティング 
◇水の浄化と衛生 
◇研究機関・教育 
◇廃棄物/廃水処理 

Show background

展示会の背景

■16年大干ばつの悪夢再び

 2024年4月上旬のことだ。ホーチミン市の南西部ティエンザン省当局者は沿岸部のタンフードン郡に対し緊急事態宣言を発し、危機的な水不足に対応するよう呼びかけた。数週間に及ぶ熱波がもたらした干ばつと塩水の遡上によって、飲料水や農業用水に深刻な影響が出始めたためだ。当局者の脳裏には16年の大干ばつが脳裏に浮かぶ。当時、南部のメコン・デルタ一帯では水田16万ヘクタールが影響を受け、被害総額は約6億5000万米ドル(約1000億円)に上った。

 チベット高原に端を発し、中国雲南省からラオス、ミャンマー、タイ、カンボジアを経由してベトナムから南シナ海に注ぐメコン川。総延長4000キロを超える大河は、雨期を迎える毎年5月末~10月ごろにかけて水量が一気に増すものの、それ以外の乾期は雨期に比べて10分の1以下と極端に少なくなる。特に4月は年間を通じて最も雨が少ない。

 海からの塩水遡上はこうした時に起こる。2月上旬ごろから始まり、ピークを迎えるのは4月初め。加えて近年は、地下水の組み上げ過ぎや地球温暖化による海水面の上昇で塩水の遡上の程度も際立つようになっていた。南シナ海の海水面が過去50年で20センチメートルも上昇したという専門家の試算もあるほどだ。

 塩分を含んだ海水が遡上し田畑に流れ込めば、コメなどは枯れる。飲料水としても使えない。ベトナム農業・地方開発省が塩害の目安とするのは水1リットル当たり4グラムの塩分を含む4ミリバール以上。「100年に一度。市場最大の塩害」とされた16年の大干ばつ・塩水遡上では10ミリバールを超えていた可能性が高く、コメと柑橘類のザボンは軒並みやられた。

■食糧安全保障にも貢献する水対策

 メコン・デルタ流域の人口は約2000万人。16年大干ばつでは、13省市あるうちの10省で被害が出た。特に深刻だったのはティエンザン省やロンアン省など5省。政府は5省にそれぞれ700億ドン(約3億円)の補助金を拠出して回復に努めたが、被害は広範囲に及びメコン・デルタ人口の3分の1が被災したとされる。

 昨年24年干ばつの被害がそこまで大きくもなかったのに地元当局がことのほか危機感を抱いたのは、その前の20年干ばつから間もなく5年が経つためだった。メコン・デルタでの干ばつは、近年だけでも10年、16年、20年、24年と4年~5年に一度のペースで繰り返されている。被害が複数年度に渡って継続することもあるといい、間もなく訪れる25年の乾期についても警戒が必要であるとしている。このところ、ティエンザン川の塩水遡上は平年よりも上流に達している。

 メコン・デルタは、ベトナムで生産される全農水産物のコメについては57%、養殖水産物は41%、全体では半数を占める最大の生産地だ。干ばつや塩水遡上が食糧安全保障に及ぼす影響は計り知れない。経済成長に伴い都市部の水需要の増加や工業廃水問題が深刻化するベトナムだが、水不足は農業や人々の生活そのものにも及んでいる。政府は30年までの「国家水資源戦略」を策定し、安全な水供給を国家目標として掲げている。こうした状況下で開催されるVietwater、ひいては淡水化ビジネスが果たす役割は決して小さくはないはずだ。

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