Home 9 ビジネスコラム 9 ベトナムの銀行口座開設を詳しく解説|日本企業向けおすすめ銀行と手続きの流れを紹介
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ベトナムの銀行口座開設における最新の環境

ベトナムの銀行セクターは近年、急速なデジタル化とともに拡大を続けています。政府が推進する「キャッシュレス社会」への転換政策も後押しとなり、モバイルバンキングやQR決済の普及が加速しています。

急速な口座普及と規制強化の背景

金融インフラの高度化が進む一方で、オンライン詐欺やマネーロンダリングなどの金融犯罪も増加しました。その結果、当局は本人確認(KYC)および取引モニタリングの厳格化を段階的に進めています。

2019年7月以降、外国人がベトナムで銀行口座を開設するには12ヶ月以上の滞在許可証が必須となり、観光ビザなど短期滞在資格での口座開設は認められなくなりました。これは、実体のない口座の乱立や不正利用を防止するための措置であり、現在も厳格に運用されています。

デジタル身分認証制度と生体認証の義務化

さらに2022年には「プロジェクト06」と呼ばれる統一デジタル身分認証制度が始動しました。国家レベルで個人データを統合し、行政手続きや金融サービスのオンライン化を推進する政策で、2025年中の完全実装が目指されています。

この制度の導入に伴い、銀行取引においても生体認証の導入が段階的に進められました。2024年7月には、1000万ベトナムドン以上のオンライン送金を行う場合に生体認証が必須となり、顔認証や指紋認証による本人確認が求められるようになりました。

さらに2025年1月からは、送金金額にかかわらずオンライン取引時の生体認証が原則必須となり、セキュリティ体制は一段と強化されています。同年9月には、本人確認情報が未更新の銀行口座に対して一時的な機能制限が実施され、全国で約8600万口座が対象となりました。

日本企業におすすめのベトナム主要銀行と提携状況

ベトナムには国営銀行、民間銀行、外資系銀行が共存する多層的な金融環境が形成されています。日本企業が銀行口座開設先を選ぶ際には、各銀行の特徴と日系金融機関との提携関係を把握しておくことが大切です。

日系メガバンクと提携する国営四大銀行

ベトナムの金融システムの中核を担うのが、Vietcombank(ベトナムコムバンク)、Agribank(農業銀行)、BIDV(ベトナム国家投資開発銀行)、VietinBank(ベトナム工業商業銀行)の国営四大銀行です。これらは国の経済政策に基づいて運営されており、信用力と安定性の高さが特徴となっています。

日本企業にとって特に注目すべきは、三大メガバンクとの資本・業務提携が進んでいる点です。Vietcombankにはみずほ銀行が株式の15%を保有し、VietinBankには三菱UFJ銀行が約20%を出資しています。こうした提携により、日本企業がベトナムで資金調達や国際送金を行う際に、円滑なサービス体制が整備されています。

BIDVは韓国のハナ銀行との提携を結んでおり、ハノイを中心にベトナム全域で広範な業務を展開しています。Agribankは農村部にも強い支店網を持ち、地方での事業展開を検討する企業にとって選択肢の一つとなります。

成長著しい民間銀行と外資系銀行

国営銀行に加え、民間銀行も急速に成長しています。VPBank(VPバンク)は従業員数29000名超、全国250以上の支店を展開しており、2023年には三井住友銀行と業務提携を締結しました。HDBank(ホーチミン市開発株式会社商業銀行)は全国347支店を擁し、伊予銀行・愛媛銀行との提携により日本語での金融サービス提供が可能になった点が大きな強みです。

ACB(Asia Commercial Joint Stock Bank)は国内63省のうち49省に支店ネットワークを持ち、多様な規模の企業顧客に対応しています。外資系ではHSBC、シティバンク、スタンダード・チャータード銀行などが進出しており、国際送金やマルチカレンシー対応に優れたサービスを提供しています。

地方邦銀のベトナム進出動向

ベトナムへの進出は大手メガバンクに限りません。りそな銀行、福岡銀行、大垣共立銀行、十六銀行、きらぼし銀行などの地方邦銀も駐在員事務所を設立しています。地方の中小企業がベトナム進出を検討する際には、取引先の地方銀行が現地にネットワークを持っているかを確認することで、金融面でのサポートが得やすくなります。

2023年にはみずほ銀行がベトナム大手キャッシュレスサービス「MoMo」を運営するMサービスへ出資を行うなど、デジタル決済分野への展開も加速しています。こうした動きは、ベトナムの金融環境がますます日本企業にとって利用しやすいものになりつつあることを示しています。

ベトナムでの銀行口座開設に必要な書類と条件

ベトナムで銀行口座を開設する際には、個人と法人で求められる書類や条件が大きく異なります。事前に正確な要件を把握し、漏れのない準備を進めることがスムーズな手続きの鍵です。

個人口座の開設に必要な書類一覧

外国人がベトナムで個人の銀行口座を開設するための最重要条件は、12ヶ月以上の有効期限を持つ滞在許可証(TRCなど)を保有していることです。ワークパーミット、配偶者ビザ、投資家ビザ、学生ビザなどが対象となりますが、観光ビザでは口座開設はできません。

パスポートの原本とコピー、現地住所を証明する賃貸契約書や公共料金請求書、ベトナムの携帯電話番号も必須です。所得がある場合は納税者番号(TIN)や雇用契約書の提出が求められることもあります。初期入金は銀行によって異なりますが、おおむね10万ベトナムドン(約600円)程度から対応可能です。

また、オンラインのみでの口座開設は認められておらず、本人が銀行窓口に直接出向いて手続きを行う必要があります。反マネーロンダリング規制の一環として、対面での身元確認が厳格に運用されています。

法人口座の開設に必要な書類一覧

法人がベトナムで銀行口座を開設する場合は、個人口座よりも多くの書類が求められます。最も基本となるのは企業登録証(ERC)または投資登録証(IRC)で、ベトナムにおける会社の公式な証明として全金融機関で提出が必要です。

これに加えて定款、法定代表者の任命決定書と就任通知、代表者および署名権者の身分証明(パスポート等)、税務登録証と税コード通知、本社所在地の住所証明を準備する必要があります。外国で作成された書類がある場合は、公証と翻訳(ベトナム語)が必須となるため、日本大使館や専門の翻訳サービスを通じた事前準備が欠かせません。

法人口座の維持には企業印(会社印)の登録も不可欠です。日本の実印制度同様、銀行登録を通じて公式に認識されます。初期入金額は個人口座よりも大きく、1000万ベトナムドンから10億ベトナムドン程度の幅があり、企業規模や業種に応じて銀行が判断します。

銀行口座開設の手続きフロー

ベトナムでの銀行口座開設は、事前準備から口座利用開始まで複数のステップで構成されています。全体の流れを把握しておくことで、手続き当日もスムーズに進めることができます。

準備段階から窓口申し込み

最初のステップは銀行の選定です。国営銀行は安定性と信用度が高く長期的な取引に向いており、民間銀行はサービスの充実度と手数料の競争力が魅力です。外資系銀行は国際送金やマルチカレンシー対応に強みを持っています。自社のビジネスニーズに合った銀行を選びましょう。

銀行を選定したら、事前にその銀行の法人部門に連絡し、最新の要件リストを入手することを推奨します。同じ銀行でも支店や担当者によって要求される書類が異なるケースがあるためです。営業時間は平日・土曜の9時〜17時が一般的ですが、支店ごとに確認が必要です。

窓口では申込用紙に氏名、住所、電話番号、職業、預金目的、月間予想取引額などを記入します。主要銀行の中心部支店では英語対応が可能なことが多いものの、地方の支店ではベトナム語のみの場合があるため、通訳の手配も検討してください。

身分確認・口座発行からネットバンキング登録

申込用紙の記入後、パスポートと滞在許可証を提示し、銀行職員が身分情報をシステムに登録します。法人口座の場合はKYC(Know Your Customer)プロセスとして、最終受益者の情報や資金出所の説明も求められます。

口座開設手数料は2025年時点でほとんどの銀行が無料としていますが、キャッシュカードやデビットカードの発行には別途費用がかかる場合があります。手続きが完了すると、原則として即日で口座番号が発行されます。

口座発行後はインターネットバンキングの利用登録を行います。2025年1月以降は送金金額にかかわらず生体認証(顔認証または指紋認証)の登録が必須となっているため、口座開設時にあわせて登録を完了させることが重要です。デビットカードの発行には数日〜1週間程度かかり、受け取り後にATMで暗証番号の初期設定を行います。

ベトナムのビジネスには展示会出展が効果的

ベトナムでは、展示会への出展が企業のマーケティング戦略において極めて重要です。現地で開催される展示会は、自社の商品・サービスを認知してもらう最適な機会であり、特にB2B企業にとって欠かせない施策の一つとされています。開催数も年々増加しており、幅広い業種で行われる展示会は、効果的な販促チャネルとして注目されています。

展示会はテストマーケティングの場としても活用でき、現地顧客の反応を直接確かめることができます。さらに、単なる商品PRにとどまらず業界関係者とのネットワークづくりにも活用できるため、新規参入企業が現地での認知度を高め人脈を広げる上でも有効です。

このような対面での商談や交流を通じて有望な新規顧客の獲得やパートナー企業の発掘にもつながるため、展示会出展はベトナムにおけるB2Bビジネスで欠かせない施策となっています。

ベトナムで開催される主要な展示会としては、製造業向けのVIMFやMTA Vietnam、物流関連のVILOG、クリーンルーム・環境技術分野のCLEANFACTなどがあります。事業領域に合った展示会を選ぶことで、効率的なビジネス開拓が可能です。

また、ベトナムでの事業展開先を検討する際には、地域ごとの産業特性も重要な判断材料となります。北部ではバクザン省がサムスンをはじめとする電子機器製造の集積地として注目されており、バクニン省も電子部品産業の拠点として急成長しています。南部ではビンズオン省が大規模な工業団地を擁し、多くの日系企業が進出しています。

まとめ

本記事では、ベトナムでの銀行口座開設について、最新の規制環境から具体的な手続きフロー、おすすめの銀行情報までを解説しました。2025年以降は生体認証の義務化や大規模な口座機能制限など、規制が急速に厳格化しています。ベトナム進出を成功させるためには、最新の要件を正確に把握したうえで、十分な事前準備を行うことが不可欠です。

  • ベトナムの銀行口座開設は12ヶ月以上の滞在許可証と対面手続きが必須
  • 日系メガバンク提携の国営銀行が日本企業にとっておすすめ
  • 最新規制を確認し、事前準備を万全にしてから渡航する
  • ベトナムでのビジネス拡大には展示会出展を積極的に活用する

株式会社ビッグビートは、海外展示会出展のサポートをしています。特に、タイやベトナムに現地法人を有しており、出展企画の立案から展示ブースの設営、コンパニオンをはじめとする運営スタッフの手配や管理に至るまで、日本の高い品質基準を維持したまま、現地からの迅速なサポートを提供することが可能です。

著者:ビッグビート ASEAN推進編集部

ベトナム・タイを中心としたASEAN圏に進出、あるいはこれから進出を計画している事業会社に対し、現地でのBtoBマーケティング領域を総合的に支援する広告会社です。ASEAN圏現地での実務経験や企業支援の実績を基に、現地に根差した信頼性の高い情報発信を行っています。