Asean Exhibitions
Water Philippines
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Exhibition outline
概要
Water Philippines
2025年3月19日~21日
SMXコンベンションセンター、マニラ、フィリピン
エネルギー産業
Show Hilight
展示会のハイライト
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主催者の目的
英ロンドンに本社を置き、国際会議などのイベント運営を手掛けるインフォーマ・グループ傘下インフォーマ・マーケッツ・フィリピンの主催。フィリピン政府が進める上下水道対策や治水、廃水処理などの施策と連携を取りながら、第一線の研究開発や取り組みの実態を紹介する。持続可能な解決策を見つけ出すためのプラットフォームの提供を目的としている。
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出展企業・来場者の範囲
出展者は、飲料水メーカーに始まって、水管理や再生処理を専門とする企業まで実に幅広い。産業用水や雨水を含む排水の再利用、残留物処理技術、下水処理システム、貯水に至る各分野のほか、次回7回大会からは海水淡水化膜、水リサイクルの専門企業などが初出展することも固まっている。一方、国内外から見込まれる来場者は、上下水道サービスをつかさどる政府機関や飲料製造などに携わる企業のほか、インフラ、灌漑、農業、水産養殖業、土木建築・環境コンサルタント業、不動産業、醸造業、教育機関などと多岐にわたる。およそ水に関わる地球上の、あらゆる産業を対象としている。
世界各国で開発が進む水に関わる最新技術を紹介し、出展者と参加者をビジネスマッチングさせるのが最大の目的だ。出展者には、そのための具体的で実効的なソリューションの提供を求める。他方、参加者には先端イノベーションに触れることで、市場の動向を正しく把握し、自陣の産業界にフィードバックすることを期待する。
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展示会場
会場となるSMXコンベンションセンターは、国際会議や各種展示会、企業イベントなどが開催できるフィリピン最大の展示(見本市)会場。18億ペソ(約50億円)を投じて2007年に開業した。1階にある展示ホールは総床面積9130平方メートルもあり、ここに最小スペース9平方メートルからのブースやブランドスペースが500以上並ぶ予定だ。展示のほか、各種セミナーやテーマごとのパネルディスカッションも開催される。水をテーマとした国際展示会としては世界最大規模となる。
Visitor details
来場者の詳細
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来場目的
- 新規および既存の供給業者・バイヤー・販売代理店と出会う 35.4%
- 業界の最新情報を収集する 25.5%
- 新しい/代替製品およびサービスの供給元を探す 17.9%
- 将来の参加に向けて展示会を評価する 11.2%
- 製品やサービスを購入する 10.0%
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来場者の所属
◇ 農業 / 水産養殖
◇ 建築家
◇ 建設業者
◇ 環境 / 土木工学 / コンサルタント
◇ 食品 / 飲料 / 蒸留所 / 醸造所
◇ ホスピタリティ業界
◇ 地方・国家政府
◇ 不動産開発業者
◇ 研究機関 / 教育機関
◇ 下水道会社 / オペレーター
◇ 水道会社 / オペレーター
◇ 水道地区
Exhibitor details
出展社の詳細
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出展社の業種
◇ ボトルウォーター生産
◇ 消毒および生物汚染技術
◇ フィルター技術
◇ 浮遊装置技術
◇ 産業用水および廃水処理
◇ 灌漑技術
◇ 市町村の水管理
◇ 自然処理システム
◇ 栄養素除去および回収技術
◇ 微粒子除去技術
◇ パイプおよびフィッティング
◇ ポンプおよびバルブ
◇ 雨水収集技術および管理
◇ スマートメーター
◇ 下水処理システム
◇ 持続可能でクリーンな水技術
◇ 海水淡水化膜
◇ 固形廃棄物管理
◇ 非開削技術(トレンチレス技術)
◇ 水のリサイクルおよび再利用
◇ 廃水処理および管理
◇ 水資源管理
◇ 水貯蔵ソリューション
㎡の展示スペース
以上の出展社
の来場者
カ国からの出展
カ国の来場者
以上のカンファレンス・セミナー
Show background
展示会の背景
背景にあるのが、スペイン統治時代から敷設が始まった水道管や施設の大幅な老朽化だ。他の東南アジア各国では順次改修が進められてきたのに、フィリピンでは1997年から始まったアジア通貨危機による国家財政への影響が大きく、水道施設など社会資本への投資は後回しとされた。このため、敷設から100年を超える水道施設が今でも一部で現役使用されている。
こうした現状は、経済的に立ち後れたマニラ首都圏西部で特に顕著だ。この地域で配水の受託事業を展開するマイニラッド・ウオーター・サービシーズによれば、漏水などで水道料金が徴収できずに水が失われる無収水率は西部地域だけでも43%に達しており(22年末現在)、国連が基準として定める25%以下を大きく上回る。高層ビルが立ち並び都市化が進んだ内陸部の首都圏東部の無収水率が12%であるのとは極めて対照的だ。西部地域にはマニラ湾に面した低い土地もあって、地下水は塩分を含むことから利用ができない。浄化した後の衛生的な水道水が住民らに届きにくい状況は市民生活を直撃している。
水源が少ないことも、こうした現状の改善を阻んでいる。マニラ首都圏最大の水がめはブラカン州にあるアンガットダム。首都圏総需要の8割以上を供給するとされるこのダムは、1967年に米ハルザ社の協力で完成。間もなく運通から60年となる。流域面積は568平方キロメートル、当初有効貯水量は8.5億立方メートルと日本の黒四ダム(富山県)の5倍以上もあったが、この十数年来の水不足は特に顕著だ。
マニラ首都圏水道局によると、2000年代以降、南太平洋南米沖赤道付近の海水温が上昇するエルニーニョ現象によってフィリピン一帯の降雨がたびたび減少。雨季にあっても水不足が深刻な状態が継続している。23年7月にもアンガットダム湖で、灌漑用水も含め1日24時間の常時給水が可能な水位である海抜180メートルを下回る事態が連日して発生。同水道局は無収水率が高い西部地域を中心に夜間断水を実施した。市民生活や企業活動に大きな影響が出たといい、同様の事態はもう20年以上も断続的に続いているという。
もちろん、インフラ整備を担当するマニラ首都圏開発庁も手をこまねいて見ているわけではない。新たな水がめとしてケソン州にカリワダムの建設を進めており、完成すれば水供給体制は大きく改善されると主張する。同水道局の試算によると、同ダムの給水能力は1日あたり60万立法メートル。これにより、首都圏一円に安定的な水供給を行うことができると見積もる。
フィリピン大統領府も、水の十分な確保が今後の国土発展と経済成長に欠かせないとして全土で新たな水源の確保と浄水場の設置などを進めていく考えだ。23年1月には大統領令を発布して環境天然資源省傘下の新機関として「水源管理室」の設置を命じ、水源管理のためのロードマップ(行程表)の作成にも着手した。念頭の中心にあるのはダム建設で、新たな用地の選定も進めている。これに先立ち、観光地のセブ島では水の配給などを行う浄化システムも稼働させている。
だが、ことはそう簡単に進むとは限らない。というのも建設中のカリワダムの場合、1970年代に建設計画が浮上したものの、近隣住民からの強い反対運動や環境破壊への懸念があり、財源確保が進まなかったことも関係して着工は大幅に遅れた。ようやく工事が始まったのはドゥテルテ前政権下。それも、中国政府が支援に乗り出したことで、かろうじて日の目を見る結果となった。今後も、同様に反対運動の激化や環境との兼ね合いが問題となる可能性がある。
こうしたダム建設をめぐる〝負〟のトラウマから近年、急速に注目を集めるようになったのが水のリサイクルなどWATER PHILIPPINES 2025にも出展される最新処理技術の導入だ。マニラ首都圏にはマリキナ川、サンファン川、それにフィリピン最大の湖であるラグナ湖(バエ湖)とそこから流れ出るパッシグ川などいくつかの川と湖が存在するが、いずれも水質汚濁が進んでおり、直ちには安心安全な飲料水や生活水とはならないのが実情だ。そこで、こうした川や湖の水を科学の力を使って適正処理して利用しようという取り組みが始まっている。
川や湖の水だけではない。生活排水や工業廃水など、人間の暮らしや産業活動から排出される水を一括して再生処理。自然に循環させるほか、再利用して都市生活や産業に活かすという方法も検討が進んでいる。ダム建設だけでは足りない水源を、都市部における水循環の中にも求めようというのがフィリピン政府などの基本的な考え方だ。
それに欠かせないのが、汚水処理や残留物処理といった一線級の処理技術というわけだ。汲み上げ過ぎた地下水には海水が混入して利用が難しい。地球温暖化に伴って3~5月の酷暑期にはますます水需要は増えると見込まれている。ダム建設などの開発リスクは高まるばかり。待ったなしの状況に最先端テクノロジーへの期待が膨らんでいる。こうした中で開催されるWATER PHILIPPINES 2025。会場に足を運んでみるだけの価値は十分にあると言えるだろう。